人体には交感神経と副交感神経という、体の活動や休息を司る自律神経というものがあります。

自律神経の成り立ち、交感神経と副交感神経のはたらきについて /images/ins-network-world.jpg

自律神経は自分の意志とは独立して、自律的にはたらく神経です。 例えば、発汗や心臓の鼓動、血圧の上昇や呼吸など、 あらゆる生命活動が自律神経によって行われています。

人体は交感神経と副交感神経が相互にバランスよく活動することで生活ができているのですが、 ストレスや生活習慣などによって自律神経のバランスが乱れることがあります。

この記事では、自律神経の成り立ちやはたらきのこと、乱れる原因と症状について解説します。

自律神経の成り立ち

人体にある神経は、中枢神経系と末梢神経系という分類に分けられます。 簡単に言うと、中枢神経系は脳と脊髄 のこと、末梢神経系は全身に行き渡っている神経 のことです。

中枢神経系(ちゅうすうしんけいけい、Central nervous system)とは、神経系の中で多数の神経細胞が集まって大きなまとまりになっている領域である。逆に、全身に分散している部分は末梢神経系という。

中枢神経系 - Wikipedia

中枢神経系は、音を聞いたりものを見たり、手を伸ばす、歩く、といった自分の意志で制御できる(している)神経のことを指します。

自律神経は末梢神経系に分類され、血流を生み出すための心臓の鼓動や、発汗、発熱などの自分の意志で制御できない生体反応を司っている神経です。

自律神経は交感神経と副交感神経から成り立っており、それぞれの主なはたらきを次の章で解説します。

交感神経のはたらき

交感神経は、運動をしている時など、人体が活発に動作をする時にはたらく神経です。

「闘争と逃走の神経(英語ではFight and Flight)」などとも呼ばれるように、激しい活動を行っている時に活性化する。

交感神経系 - Wikipedia

例えば、運動をした時の状況を考えてみます。 運動は活発な活動であるため、交感神経が体の状態を運動に適した状態に変えようとします。

自律神経の成り立ち、交感神経と副交感神経のはたらきについて /images/ins-sports.jpg

まず、運動は酸素が必要な活動であるため、交感神経は酸素を多く取り込もうと呼吸の回数を増やします。 取り込んだ酸素は血流にのせて体中に運ぶ必要が有るため、心拍数をあげて血流を良くしようと心臓を制御します。

また、運動時は筋肉を使う必要があるため、内臓運動に使っていた血液は筋肉へまわされます。

運動によって体温があがると、交感神経は体温があがりすぎることによる脳への悪影響を懸念します。 そのため、発汗を促して体温がさがるように調整します。

その他にも、以下のようなはたらきを持ちます。

  • 瞳孔の散大
  • 唾液の現象
  • 血圧の上昇
  • 血管の収縮
  • 筋肉の硬直
  • 内臓運動の抑制
  • 心拍数の上昇
  • 発汗

副交感神経のはたらき

自律神経の成り立ち、交感神経と副交感神経のはたらきについて /images/ins-stone-balls.jpg

副交感神経は、睡眠時や入浴時など、リラックスしている時にはたらく神経です。

例えば睡眠時の状況を考えてみます。 睡眠は体を休めるためのもので、副交感神経は体が休まるように内臓の調整をします。

まず大きく変わるのは呼吸です。 睡眠時は酸素をたくさん取り込む必要が無いため、ゆっくりと深い呼吸に変わります。 これとともに心拍数や血圧も低下するよう心臓を制御します。

また、交感神経がはたらいていた時は筋肉にまわされていた血液ですが、 睡眠時は内臓活動のために内臓へとまわされます。

筋肉も睡眠時は緊張が解かれ、活動によってたまった疲労が回復できる状態になります。

その他にも、以下のようなはたらきを持ちます。

  • 瞳孔の収縮
  • 涙の分泌
  • 血圧の低下
  • 血管の拡張
  • 唾液の分泌
  • 筋肉の弛緩
  • 内臓運動の促進

自律神経失調症について

自律神経は交感神経と副交感神経が適切なタイミングではたらくことで成り立っています。 ですが、この2つの神経のバランスはストレスや生活習慣の乱れによって崩れることがあります。

自律神経は自律的にはたらく神経であるため、この神経が適切にはたらかなくなると日常生活のあらゆるところに支障をきたします。

この症状が出ている状態を自律神経失調症と呼び、主に交感神経がはたらき過ぎている場合と、副交感神経がはたらき過ぎている場合に分類できます。

とくに、最近のストレス社会では自律神経失調症になる人が増えています。 自律神経のはたらきを理解し、ともに支えあって生きていく必要があるのかもしれません。