一度乱れてしまうとなかなか戻せない自律神経の乱れ。 実は適度な昼寝が、自律神経の乱れだけでなく人体の健康に良い効果をもたらします。

例えば、スペインやアルゼンチンにはシエスタという習慣があり、午後に長めの昼休憩を取り、 人によっては昼寝をすることで、人体にとって1日を合理的な活動になるような工夫 をしています。

この記事では、昼寝がもたらす効果と自律神経との関係について解説します。

自律神経のはたらき

自律神経という言葉はほとんどの人が聞いたことがあると思います。 ですが、自律神経がどういったはたらきをしているか までは、曖昧な認識しかない人も多いのではないでしょうか。

自律神経というのは交感神経と副交感神経という2種類の神経によって成り立っています。 これは名前の通り、自律的にはたらく神経で、自分の意志で制御できるものではありません。

交感神経のはたらき

交感神経は、運動している時や、人前で発表している時など、体を活発に動かさなければいけない状態や、 物事に機敏に反応しなければいけない状態 の時にはたらきます。

例えば、運動などの活発な活動は、脳が酸素を必要とします。 そのため、交感神経は呼吸を早め、鼓動を多く打つことでたくさんの空気を取り込んで全身に送るといった調整をします。

他にも、瞳の瞳孔を開いたり、筋肉の硬直、発汗などが交感神経によって促されます。

副交感神経のはたらき

副交感神経は交感神経と対象的に、人体が休息すべき時にはたらきます。

例えば、睡眠時や入浴時などは、活発に動く必要がなく、体を休めるべき場面です。

副交感神経はこういった場面になると、筋肉に使われていた血液を内臓に回して内臓運動を促したり、 血圧が最低限になるよう調整し、体が無駄なエネルギーを使わないような状態に調整します。

他にも、涙や唾液の分泌などが副交感神経によって制御されています。

自律神経が乱れると

自律神経はストレスや不規則な生活習慣によって、適切にはたらくことができなくなることがあります。

適切にはたらくことができない、というのは、交感神経と副交感神経がそれぞれ適切なタイミングで切り替わらなくなる ということです。

この2つの神経は、活動と休息を司っているため、自律神経が乱れると活動したいタイミングでも無気力になったり、 睡眠や入浴をしても疲れが取れない、といった症状があらわれます。

昼寝は夜の睡眠より質がいい

人間は普通、夜に睡眠をとります。 つまり、人体の大きなサイクルは、昼に活動し、夜に回復する、というものであると言えます。

ですが、昼寝は夜にとる睡眠に比べて、いくつか優位な点がある とされています。

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夜の睡眠より昼寝のほうが回復する

人体に休息をもたらす睡眠ですが、夜の睡眠にくらべて昼寝は数倍の速度で回復をもたらす ことがわかっています。

カリフォルニア大学サンディエゴ校の大精神医学部Sara Mednick氏によれば、1時間半の昼寝は、1晩分の睡眠に等しい効果を示したそうです。

また同大精神医学部サラ・メドニック(Sara Mednick)氏は、昼寝の目覚しい効果を報告した。

昼寝と夜間の睡眠効果を視覚学習効果などを比較して調べたところ、1時間半の昼寝は、1晩分の睡眠に等しい効果を示した。

「1時間半の昼寝は1晩分の効果」、睡眠の新発見続々と 米国 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

記憶力など仕事の効率が向上する

昼寝は記憶力の向上にも作用する ことがわかっています。 これにより、コーヒーなどで眠気を覚ますより、昼寝をして眠気を覚ますほうが作業効率的にも良いと言えます。

また、コーヒーは化学的ストレスに分類され、交感神経を刺激することで自律神経の乱れの原因となりえます。 そういった意味でも、コーヒーを避けて昼寝をすることは自律神経にとっても健康的です。

昼寝が自律神経の乱れを整える?

自律神経は自律的にはたらく神経であり、内臓運動や人体のあらゆる活動に作用しています。 つまり、自律神経が乱れると、人体に様々な支障をきたすようになります。

自律神経の乱れは健康的な生活を送り、慢性的なストレスや大きすぎるストレスを排除する ことで正常に戻すことができます。 ですが、これに加えて運動や睡眠など、積極的に自律神経を整える方法もあります。

15分から30分の昼寝が効果的

昼寝は疲労の回復だけでなく、ストレスの解消にも作用します。 ストレスは自律神経に対して、交感神経を優位にするはたらきかけをするため、 睡眠によってストレスが排除できれば自律神経を整える効果があると言えます。

昼寝によって効率のいい睡眠をとるには、どれくらいの時間寝るかが重要です。 人の睡眠は、覚醒状態から深い睡眠へ入り、浅い睡眠を定期的に行き来するのが一般的です。

この浅い睡眠をレム睡眠、深い睡眠をノンレム睡眠と呼び、1.5時間の周期で交互に訪れます。 つまり、昼寝で効率的に睡眠をとるには、ノンレム睡眠に入る直前である15分から30分程度が適度な時間です。

昼寝以外にも自律神経を整える方法はある

自律神経は、健康的な生活を送っていればまず乱れることはありません。 そのため、生活習慣のなかで自律神経の乱れを生んでいるものを突き止め、排除するの がもっとも有効な方法です。

また、運動や呼吸法でも自律神経の乱れは改善できます。 昼寝を取り入れた生活で人体に健康的な生活を送り、運動や生活習慣の改善で自律神経に負担のない習慣を身に付ける のが大切です。