多汗症の原因は、自律神経の乱れや他の病気の弊害であることがほとんどです。 ですが、食生活による影響で軽度の多汗症になる可能性はゼロではありません。

食材によっては発汗を促すもの、発汗を抑制するものがあります。 これらを理解した食生活を送ることで、多汗症の改善が見込めます。

この記事では、発汗に作用する食材とその理由について解説します。

食事と発汗の関係

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発汗は大きく分けて3つの種類があります。

体温が上がった時の温熱性発汗、緊張した時や驚いた時の精神性発汗、食事をした時の味覚性発汗の3つです。

このうち味覚性発汗は、食事時に発汗する誰でも起こる生理現象です。 つまり、食事は発汗に作用しており、食べたものによっては多汗症に近い症状を引き起こします。

また、味覚性発汗が異常な発汗を起こす、味覚多汗症というタイプの多汗症もあります。 このタイプの場合は食べるものによる症状の改善が期待できますし、 それ以外のタイプの多汗症についても、自律神経の乱れを整えるなどの効果がある食材によって、改善が期待できます。

発汗を促す食材

まず、発汗を促進してしまう食材について解説します。

これらの食材で日常的に発汗が促進されるというわけではありませんが、 これらの食材が自律神経を刺激するなどして、日常的な自律神経の乱れを引き起こしてしまう作用を持つ、 多汗症に対して間接的な影響を持つ食材です。

刺激の強いもの、辛いもの、甘いもの

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辛い、甘い、酸っぱいなど、刺激の強い食材は交感神経を刺激します。 交感神経は発汗を促進する機能を持つため、これによって交感神経が優位になり、 日常的に異常な発汗を引き起こす場合があります。

とくに香辛料を多く含む料理などは食べ過ぎに注意が必要です。

高脂質な食べ物

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脂質は取り込むとエネルギーとして使うために分解されます。 この分解の時に生み出す熱が、発汗を促進してしまう場合があります。

前述した香辛料なども同様で、分解時に余分な熱を生み出すものは多汗症の症状を悪化させる可能性があります。

カフェイン

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カフェインは化学的ストレスという種類のストレスを与えます。 これは自律神経に大きな影響をあたえ、交感神経を優位な状態にする作用を持ちます。

コーヒーを飲むと目が覚めるというのはよく聞きますが、これは交感神経を刺激することによる作用です。

交感神経は発汗を司る神経でもあるため、カフェインによる交感神経への刺激が発汗に繋がり、多汗症の症状を引き起こしてしまうことがあります。

発汗を抑える食材

次に、発汗の抑制が期待できる食材について解説します。 これらの食材が直接発汗を抑制するというわけではなく、ホルモンバランスの改善や自律神経の乱れの改善によって間接的に発汗が抑えられるといったものです。

大豆食品

ホルモンバランスの乱れが原因になっている多汗症の場合、 大豆食品に含まれる大豆イソフラボンによって症状の改善が期待できます。

ホルモンバランスの乱れによる多汗症

まず、ホルモンバランスの乱れがどのように多汗症に影響するかを解説します。

ホルモンの分泌は、間脳と言われる脳の下にある視床下部ししょうかぶ が司っています。 視床下部ししょうかぶ は、ホルモンの分泌だけでなく自律神経の制御も司っているため、 ホルモンバランスの乱れとともに、自律神経の乱れを引き起こしてしまうことがあります。

自律神経の1つである交感神経は発汗を制御しているため、この乱れが異常な発汗に繋がり、多汗症の原因になることがあります。

大豆イソフラボンがホルモンバランスを改善する理由

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大豆には大豆イソフラボンという植物性ホルモンの一種が多く含まれており、 大豆イソフラボンはエストロゲンという女性ホルモンの一種に似た化学構造をしています。

エストロゲンは分泌されるとエストロゲン受容体というものと結合し、着床の促進や基礎体温の調整などのはたらきをするものです。

ホルモンバランスの乱れで多く見られるのが、乳がんのリスクにもなり得る、エストロゲンの過剰分泌です。 しかし、大豆イソフラボンはエストロゲンより優先的にエストロゲン受容体と結合する性質を持つため、 エストロゲンのはたらきを抑制する効果があります。

このはたらきによってホルモンバランスの乱れが正常に戻ることで、多汗症の改善が期待できます。

また、植物性エストロゲンを含むものは同様の効果が期待できます。 例えば、ザクロ、アボガド、アーモンドなどが植物性エストロゲンを多く含むことで有名です。

大豆イソフラボンの過剰摂取は避けるべき

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しかし気をつけるべきなのが、大豆イソフラボンの過剰摂取と、妊婦の方の大豆イソフラボン摂取についてです。

前述したとおり、エストロゲンの過剰分泌は乳がんのリスクになります。 この状態を大豆イソフラボンが再現してしまうことで乳がんのリスクになる場合があります。

さらに、妊婦の方が大豆イソフラボンを摂取しすぎることによる胎児への影響 が確認されています。

また、日本人には味噌汁や豆腐、納豆などで大豆イソフラボンを日常的に摂取する習慣があります。 自分の日常的な摂取量を意識して、過剰摂取にならないよう注意しましょう。

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体を冷やす作用のある野菜

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クールベジタブルと言われる種類の野菜です。 体温を下げる作用があると言われており、発汗の抑制が期待できます。

しかし、自律神経の乱れなどによる多汗症の場合は、あまり効果が見込めないかもしれません。

クールベジタブルが体温をさげる理由

クールベジタブルは体温を下げるといっても、直接的に体温に作用するわけではありません。

体温を下げる理由として、まずカリウムを多く含むという性質があげられます。 カリウムは利尿作用を持っているため、尿の排出による体温の低下が期待できます。

次に、水分を多く含むことが理由にあげられます。 これもカリウムと同様の理由で、尿の排出を促進することで体温の低下が見込めます。

代表的なクールベジタブル

代表的なクールベジタブルに、トマト、キュウリ、トウモロコシ、ピーマン、ゴーヤ、ナスがあげられます。 とくになすやきゅうりは水分が豊富なため、中でも高い効果が期待できます。

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ハーブ

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ハーブティーやハーブを使用した料理などが自律神経の乱れの改善に繋がると言われています。

これは医学的にもとづくものではなく、あくまでリラックス効果や精神的な面での影響が大きいものです。

しかし、香りがストレスや神経に影響をあたえることはほぼ確実と言われており、 その作用によって自律神経の乱れが改善する可能性はゼロではないといえます。

香りの系統としては、オレンジ、カモミール、ジャスミン、ローズなどがリラックス効果を持つと言われています。 香りが効果を持つため、入浴剤やアロマなどでも効果を期待できます。